1. ホーム
  2. 展示・イベント
  3. 特集展示
  4. 過去の特集展示
  5. 第45回特集展示「藤原せいけん-近代大阪の風俗画家-」

(H25.7.25更新)

第45回 特集展示

藤原せいけん
-近代大阪の風俗画家-

 ◆ 平成19年 3月14日(水)4月23日(月) ◆ 

毎週火曜日休館

会 場
8階 特集展示室

時 間
9:30~17:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで

観覧料



主 催  大阪歴史博物館

協 力  藤白会

平成19年3月14日(水)から4月23日(月)まで、8階特集展示室(常設展示場内)において、特集展示「藤原せいけん―近代大阪の風俗画家―」を開催し、ほのぼのとしたタッチで七福神を描いた「宝船」や、花見に出かけた京都の名所を描いた絵日記「京桜見日記」などの絵画作品や、作品を掲載した書籍や雑誌のほか、作品の構想を練るためのスケッチやメモなどの関係資料約60件を展示します。

 藤原せいけん(1902~93)は、昭和初期から風俗画家、漫画家として、雑誌や新聞、広告の挿絵などで活躍しました。仕事を通じて落語や漫才、歌舞伎や文楽といった芸能界との関係も深く、また川柳作家としての顔も持ち、当時の大阪の文化人と幅広い交流がありました。この展示では、大阪の文化と深く関わってきたにもかかわらず、あまり知られてこなかった彼の画業の一端を紹介し、作品を通じて昭和初期の大阪の文化的な背景についてもふれていきます。


期間中の関連行事
 『展示解説』
学芸員による展示解説を行います。
【日 時】 平成19年3月21日(水・祝)・4月8日(日)
 午後2時~(所要30分程度)
【会 場】 大阪歴史博物館 8階 特集展示室
【定 員】 なし
【参加費】 無料(ただし、ご入場には常設展示観覧料が必要です)
【参加方法】 当日直接会場へお越しください。

おもな展示資料

宝船 藤原せいけん画 梅谷紫翠蔵版

  昭和初期 個人蔵

「宝船 藤原せいけん画 梅谷紫翠蔵版」詳細へ
展示資料数:
 約60点

おっぱい 藤原せいけん筆

  昭和初期 個人蔵

「おっぱい 藤原せいけん筆」詳細へ

京桜見日記 藤原せいけん筆

  昭和8年(1933) 個人蔵

「京桜見日記 藤原せいけん筆」詳細へ

【参考】

 藤原せいけんは、明治35年(1902)に大阪市内で生まれます。父の転勤によって移り住んだソウルで日本画を始め、15歳の頃には東京で様々な絵の仕事に関わり、漫画の仕事も始めます。大正12年(1923)の関東大震災の後、大阪にもどってからは、大阪毎日新聞の連載、郷土研究『上方』(上方郷土研究会、1931~1944)や川柳雑誌『番傘』(関西川柳社[現・番傘川柳本社]、1913~)などに多くの挿絵を描き、漫画雑誌『大阪パック』(輝文館、1906~1949)では、昭和11年(1936)から4年間、主筆編集長をつとめるなど、大阪の文化人のひとりとして活躍しました。

おもな展示資料

宝船 藤原せいけん画 梅谷紫翠蔵版

(1) 宝船 藤原せいけん画 梅谷紫翠蔵版

  昭和初期 個人蔵

ほのぼのしたタッチで七福神を描いた宝船の版画。昭和初期の大阪で活動した様々な趣味人たちの会のひとつ、「浪華宝船会」で交換されたものである。梅谷紫翠は歯科医師で、郷土玩具の収集などで知られる代表的な大阪の趣味人である。

おっぱい 藤原せいけん筆

(2) おっぱい 藤原せいけん筆

  昭和初期 個人蔵

玩具の春駒で遊んでいた子どもが、おっぱいを求めて母親に飛びつく様を描く。昭和8年(1933)に描いた川柳雑誌『番傘』の表紙にも授乳風景が描かれており、作品中でしばしば子どもたちにやさしい眼差しを向けるせいけんの好んだテーマと考えられる。

京桜見日記 藤原せいけん筆

(3) 京桜見日記 藤原せいけん筆

  昭和8年(1933) 個人蔵

藤原せいけんが、昭和8年4月に花見に出かけた京都各地の名所について記した絵日記。「宇治川べりの桜」では満開の桜と賑やかな宴会風景が描かれるが、天気はいいが寒くて長居しなかったと記している。