大阪歴史博物館では、平成20年7月9日(水)から8月25日(月)まで、8階特集展示室において特集展示「90周年記念 大阪の米騒動と方面委員の誕生」を開催します。
今年は、大正7年(1918)に大阪をはじめとする都市部を中心に米騒動が全国的に発生して、ちょうど90年になります。米騒動をきっかけに、歴史の「主人公」として目覚めた民衆は労働運動、農民運動、普選運動など諸運動を活発化させ、いわゆる「大正デモクラシー」と呼ばれる状況が生まれます。
大阪では米騒動時に騒動を鎮静化するために、府と市が共同して、米の廉売事業を実施しました。後に方面委員となる地域の有力者達は結集してこの事業に協力します。大阪歴史博物館は、この廉売事業に関する資料を多数収蔵しています。また、米騒動の一つの結果として、大阪では今日の民生委員制度へと発展する方面委員制度が全国に先駆けて創設されます。地域の有力者の多くが方面委員に任命され、無償のボランティアとして貧しい人々を救済するための活動を開始します。博物館は、方面委員となった人物がその活動を克明に記録した方面委員手帳という大変貴重な資料など、その関係資料も収蔵しています。この展覧会では、これらの資料を通して、米騒動時の廉売事業や方面委員の活動の実態などを紹介するとともに、米騒動が大阪という地域に与えた衝撃の大きさを考える機会としたいと思います。