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  5. 第55回特集展示「90周年記念 大阪の米騒動と方面委員の誕生」

(H25.7.18更新)

第55回 特集展示

90周年記念
大阪の米騒動と方面委員の誕生

◆ 平成20年 7月9日(水)~8月25日(月) ◆

毎週火曜日休館

会場
8階 特集展示室
時間
9:30~17:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
観覧料
常設展示観覧料でご覧になれます
主催
大阪歴史博物館

大阪歴史博物館では、平成20年7月9日(水)から8月25日(月)まで、8階特集展示室において特集展示「90周年記念 大阪の米騒動と方面委員の誕生」を開催します。

今年は、大正7年(1918)に大阪をはじめとする都市部を中心に米騒動が全国的に発生して、ちょうど90年になります。米騒動をきっかけに、歴史の「主人公」として目覚めた民衆は労働運動、農民運動、普選運動など諸運動を活発化させ、いわゆる「大正デモクラシー」と呼ばれる状況が生まれます。

大阪では米騒動時に騒動を鎮静化するために、府と市が共同して、米の廉売れんばい事業を実施しました。後に方面委員となる地域の有力者達は結集してこの事業に協力します。大阪歴史博物館は、この廉売事業に関する資料を多数収蔵しています。また、米騒動の一つの結果として、大阪では今日の民生委員制度へと発展する方面委員制度が全国に先駆けて創設されます。地域の有力者の多くが方面委員に任命され、無償のボランティアとして貧しい人々を救済するための活動を開始します。博物館は、方面委員となった人物がその活動を克明に記録した方面委員手帳という大変貴重な資料など、その関係資料も収蔵しています。この展覧会では、これらの資料を通して、米騒動時の廉売事業や方面委員の活動の実態などを紹介するとともに、米騒動が大阪という地域に与えた衝撃の大きさを考える機会としたいと思います。


期間中の関連行事

『学芸員による展示解説』

【日時】
平成20年7月19日(土)
14時から(約30分間)
【会場】
大阪歴史博物館 8階 特集展示室
【参加費】
無料(ただし、ご入場には常設展示観覧料が必要です)
【参加方法】
当日直接会場へお越し下さい
【定員】
なし

おもな展示資料

展示資料数:約30点
「大阪白米廉売所入場券」詳細へ
大阪白米廉売れんばい 所入場券

大正7年(1918) 本館蔵 熊田早苗氏寄贈
「方面委員手帳」詳細へ
方面委員手帳

大正時代 本館蔵 池田啓子氏寄贈
「関一日記」詳細へ
関一せきはじめ日記

大正7年(1918) 大阪市指定有形文化財 關淳一氏蔵

主な展示資料

大阪白米廉売所入場券

(1)大阪白米 廉売れんばい所入場券 表(右) 裏(左)

大正7年(1918) 本館蔵 熊田早苗氏寄贈

大阪市内では、米騒動時に小学校の学区ごとに白米廉売事業が実施された。この入場券は、桜宮さくらのみや小学校学区である桜宮聯合れんごう区が発行したもので、裏には購買日が印刷されている。小学校が廉売所となり、学区の区会議員達が廉売事務にあたった。


方面委員手帳

(2)方面委員手帳

大正時代 本館蔵 池田啓子氏寄贈

現在の千日前地域で方面委員をつとめた田中半治郎が、その活動を記録したもの。田中が調査した生活貧困者の生活状態-家族構成、住居、家計、健康状態など-が詳細に記されている場合がある。当時の貧困者の生活実態を知るうえで貴重な資料である。


関一日記

(3)関一せきはじめ日記

大正7年(1918) 大阪市指定有形文化財 關淳一氏蔵

戦前の名市長といわれた関一は、米騒動時には市の助役として騒動対策に奔走した。大正7年の関の日記には、8月11日に「米屋ノ掠奪」が始まったこと、翌12日には早速市が外国米の販売を始めたこと、また13日には市長に騒動鎮圧を進言し、軍隊に出動要請したことなどが淡々とした筆致で記されている。