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  5. 第58回特集展示「大阪町めぐり 四天王寺-もうひとつの大阪の都市空間-」

(H25.7.18更新)

第58回 特集展示

大阪町めぐり 四天王寺
―大阪のもうひとつの都市空間―

◆ 平成20年 12月25日(木)平成21年 2月23日(月) ◆
毎週火曜日休館(祝日の場合は翌日休)
会場
8階 特集展示室
時間
9:30~17:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
観覧料
常設展示観覧料でご覧になれます
主催
大阪歴史博物館

大阪歴史博物館では、平成20年12月25日(木)から平成21年2月23日(月)まで、8階特集展示室において、「大阪町めぐり 四天王寺―大阪のもうひとつの都市空間―」を開催します。

本展覧会では、四天王寺を中心とする地域の歴史にかかわる考古遺物、古文書、絵画など約50点を展示し、大阪においてこの地域が独自の歴史をもっていたことを紹介します。

四天王寺は大阪を代表する寺院で、古代の創建以来、多くの人びとの信仰を集めてきました。そのため、四天王寺には仏教関係の優れた遺品が多数伝わっています。

しかし、大阪の歴史における四天王寺の重要性はそうした仏教信仰にとどまりません。古代では難波宮を核として計画された難波京の南端を占める中核施設であり、また中世では上町台地の中心的な宗教都市を形成し、そして豊臣秀吉の大坂城下町建設に際しても南端の要として位置づけられました。さらに江戸時代になると、都市大坂の近郊地にある信仰を交えた遊興地として大坂町人に親しまれ、現在に至っています。今は大阪市内に含れる四天王寺ですが、長い間、いわゆる大阪(中心部)から少し離れた独自の空間を形成していたのが四天王寺とその周辺地域だったのです。

当館では常設展示の中世部分で四天王寺の紹介をおこなっていますが、本展では、四天王寺とその周辺地域をひとつの都市空間とみなし、大阪市域のなかで果たしてきた役割について通史的に紹介し、四天王寺の歴史がもつ意義を地域史の立場から考えます。大阪のなかにはこのように独自の歴史をもった地域が少なくありません。今回の展示が、来館者が豊かな大阪の歴史像を理解していただく機会となることを望みます。


期間中の関連行事

見学会『四天王寺じっくり見学会』

(NPO法人まち・すまいづくりと共催)
中心伽藍の復元建築や境内の石造物など、ふだんとは違う視点での四天王寺の見学を実施します。
【日時】
第1回:平成21年1月28日(水)
第2回:平成21年2月18日(水)
ともに、午後1時30分から午後3時
【場所】
四天王寺
【講師】
本館学芸員
【参加人数】
30名(2回連続)
【参加費】
2,000円(2回分、保険代・入場料金等を含む)
【応募方法】
往復はがき、FAXで、参加希望者の氏名・住所・電話番号(FAX番号)を明記の上、NPO法人まち・すまいづくり「上町台地歴史講座」係へ送付。先着順。
【申込先】
〒543-0001 大阪市天王寺区上本町8-1-14 ダイマルビル4階 「うえまち」編集局 FAX 06-6779-7222
※ご注意-申し込み先は大阪歴史博物館ではありません。
※申し込みに頂いた個人情報は今回の事業実施以外の目的には使用しません。
【締切】
平成21年1月10日(はがきは消印有効)

『展示解説』

【日時】
平成21年1月12日(月・祝)、2月8日(日)
午後2時から(約30分間)
【会場】
大阪歴史博物館 8階 特集展示室
【担当】
本館学芸員
【参加費】
無料(ただし、ご入場には常設展示観覧料が必要です)
【参加方法】
当日直接会場へお越し下さい
【定員】
なし

おもな展示資料

展示資料数:約50点
「大阪実測図」より 四天王寺
「大阪実測図」より 四天王寺

明治19年(1886) 本館蔵(柴垣和夫氏寄贈)
四天王寺周辺出土の陶磁器類
四天王寺周辺出土の陶磁器類

14~16世紀 (財)大阪市文化財協会保管
摂津国四天王寺図
摂津国四天王寺図

橘守国筆 江戸時代 四天王寺蔵(展示期間:12月25日~1月26日)

主な展示資料

「大阪実測図」より 四天王寺

(1)「大阪実測図」より 四天王寺

明治19年(1886) 本館蔵(柴垣和夫氏寄贈)

「大阪実測図」は内務省地理局測量課が作製した5,000分の1の大阪図である。この図は江戸時代初め以降の四天王寺の境内とその周辺の町割りをよく表現しており、かつての景観がうかがえる重要史料である。四天王寺の伽藍・境内はほぼ正方位を向いているが、これは古代以来である。西側には門前町、あるいは寺院が並ぶ整然とした街区がみえる。北側の平野町は豊臣秀吉が建設した城下町の一部で、軸線がやや東に傾いているが、その南にあった四天王寺の方位は変更されていない。


四天王寺周辺出土の陶磁器類

(2)四天王寺周辺出土の陶磁器類

14~16世紀 (財)大阪市文化財協会保管

四天王寺は門前に町場を発展させ、寺院を中心とした都市を形づくっていた。現在の町名でいう逢坂や伶人町など境内西側の地区は特に成立が古く、平安時代には人びとの居住が確認できる。また、この一帯では中国から輸入された陶磁器や国内各地から運ばれた陶器などが発掘調査で見つかっており、市場の存在も知られるなど、都市的な賑わいが早くから見られた。


摂津国四天王寺図

(3)摂津国四天王寺図

橘守国筆 江戸時代 四天王寺蔵 (展示期間:12月25日~1月26日)

大坂の画家橘守国(1679~1748)の手による四天王寺の境内図。四天王寺は江戸時代初めに再建された後、享和元年(1801)に火災に遭うので、その間の景観を伝えている。本図のように四天王寺の全景を西側から見た構図で描いた肉筆図は珍しい。周辺の寺社は古来四天王寺と縁が深いので、いわば広義の四天王寺境内を描いた作品となる。南北の堀・川跡の描写も境内を画するものとして表現されている。