1. ホーム
  2. 展示・イベント
  3. 特集展示
  4. 過去の特集展示
  5. 第71回特集展示「幕末大坂の絵師 森一鳳」

(H25.7.16更新)

第71回 特集展示

幕末大坂の絵師 森一鳳

◆ 平成23年 2月23日(水)~4月4日(月) ◆
毎週火曜日休館
会場
8階 特集展示室
時間
9:30~17:00(金曜は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
観覧料
常設展示観覧料でご覧いただけます
主催
大阪歴史博物館

大阪歴史博物館では、平成23年2月23日(水)から4月4日(月)まで、8階特集展示室において、特集展示「幕末大坂の絵師 森一鳳もりいっぽう」を開催します。

大坂で活躍した絵師の森一鳳(1798~1871)は、円山応挙まるやまおうきょの高弟森徹山もりてつざんの跡を継ぎ、写生画風の作品を描いて大いに賞賛を得た絵師です。肥後藩ひごはん細川家ほそかわけの御用も務め、当代一流の絵師として名を馳せていました。

一鳳は花や鳥など自然をモチーフにした絵を多く描き、季節感あふれる華麗な作品を残しています。また「藻刈舟もかりぶね」の図を多く描き、「藻を刈る一鳳」=「儲かる一方」として大坂の商家に喜ばれました。そこには大坂の人々が、単に美しい絵画を鑑賞するだけではなく、めでたいイメージを含んだ絵画を身近に飾ることにより、家の繁栄や幸福を願っていた様子がうかがわれます。

本展観は、幕末に生きた大坂の人々が、どのような絵画を好み、そこにどのような願いを込めていたのかを、一鳳の作品を通して紹介します。今回の展示を通して、幕末大坂の文化や芸術水準の高さを認識していただく機会となれば幸いです。


期間中の関連行事

展示解説

【日時】 平成23年2月26日(土)、3月5日(土)
いずれも午後2時から(所要約30分程度)
【講師】 岩佐伸一(当館学芸員)
【会場】 大阪歴史博物館 8階 特集展示室内
【参加費】 無料(ただし、入場には常設展示観覧券が必要です)
【参加方法】 当日直接会場へお越し下さい

おもな展示資料

展示資料数:約30点
藻刈舟図
藻刈舟図もかりぶねず

1幅 本館蔵 江戸時代末期~明治時代初期
孔雀図屏風
孔雀図屏風くじゃくずびょうぶ

1隻 大阪天満宮おおさかてんまんぐう所蔵 江戸時代末期~明治時代初期
桃に白鸚鵡図
もも白鸚鵡図しろおうむず

1幅 個人蔵 江戸時代末期~明治時代初期

主な展示資料

藻刈舟図

(1)藻刈舟図もかりぶねず

1幅
本館蔵
江戸時代末期~明治時代初期

雨がそぼ降る中、蓑をまとった人が小舟の上で藻を刈る姿を描く。藻刈りは、本来舟の通航を妨げないように水草を刈ることをいうが、森一鳳の藻刈舟図は、「藻を刈る一鳳」=「儲かる一方」との語呂合わせで、特に縁起の良い画題としてもてはやされた。


孔雀図屏風

(2)孔雀図屏風くじゃくずびょうぶ

1隻 大阪天満宮おおさかてんまんぐう所蔵 江戸時代末期~明治時代初期

梅の老木に止まる孔雀を描く。孔雀は、毒蛇を駆逐するとして仏教において尊ばれた。羽根の美しさから、輸入されることも多く、江戸時代の大坂では難波に孔雀茶屋が設けられ、人々は生きた孔雀を見て楽しんだという。


桃に白鸚鵡図

(3)もも白鸚鵡図しろおうむず

1幅
個人蔵
江戸時代末期~明治時代初期

鸚鵡は、飼い鳥として珍重され、古くは7世紀半ばに朝鮮半島からもたらされた記録があり、江戸時代には大坂の町人が飼育していた例もある。本図は、桃の紅と鸚鵡の白が紅白となりめでたさを表している。