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力士のブロマイド

(H26.6.16更新)

平成23年3月2日(水)~ 3月28日(月)(予定)

錦絵 陣幕久五郎 歌川国貞画
錦絵 陣幕久五郎じんまくきゅうごろう 歌川国貞うたがわくにさだ
幕末 本館蔵
陣幕は、「負けずや」のあだ名を持つ幕末屈指の強豪力士です。大阪相撲の朝日山部屋に入門した後、江戸相撲に移り、慶応3年(1867)横綱になりました。維新期に大阪相撲に復帰し、相撲頭取筆頭、今でいうと理事長のような地位につきました。この錦絵は、江戸の浮世絵師歌川国貞(1786-1865)の作品です。
錦絵 松ノ音善藏 二代長谷川貞信画
錦絵 松ノ音善藏 二代長谷川貞信はせがわさだのぶ
明治前期 本館蔵
松ノ音は、明治5年(1872)7月に番付に初めて登場した、最高位は大関の強豪力士です。明治15年5月に現役のまま死亡しました。このような錦絵がブロマイドとして刊行されるほど、人気力士であったようです。作者は、開花絵の名手として知られる大阪の浮世絵師長谷川貞信です。着物姿の力士を描いているところに、裸を野蛮視する文明開化期の影響が読み取れます。
錦絵 岩友大太郎
錦絵 岩友大太郎いわともだいたろう
明治後期 本館蔵
岩友は、明治後期に大関をつとめた強豪力士で、前名を響矢由太郎ひびきやよしたろうといいます。引退後、頭取岩友を襲名しました。東瓜破ひがしうりわり村(現平野区)出身で、同地域は、河内でも最後まで草相撲が盛んだったところです。この錦絵は「力士鏡第四号」として刊行されたものです。シリーズで出版されたものなのでしょう。作者は不明です。
力士絵葉書
力士絵葉書
明治末~大正時代 個人蔵
明治末期になると、錦絵に代わって絵葉書がブロマイドとして流行するようになります。先の錦絵に描かれた岩友の絵葉書も残っています。なかには大阪で絵葉書を専門に販売していた栗本商店というところで発行されたものもあります。力士の顔写真がわかる貴重な資料でもあります。
絵葉書 宮城山福松
絵葉書 宮城山福松
昭和初期 個人蔵
宮城山は、大阪相撲最後の横綱です。この絵葉書は、大阪相撲が東京相撲と合併して現在の相撲協会が誕生した昭和2年(1927)以降のものと考えられます。昭和に入ると、このようなカラーの力士絵葉書が登場するようになります。

今回の展示では、力士のブロマイドの変遷をたどっていきたいと思います。写真のない時代にブロマイドとして機能した錦絵にしきえの変遷、錦絵から絵葉書への転換、そしてカラーブロマイドとしての絵葉書の登場といった順でご紹介します。

残念ながら今年は三月場所が中止となってしまいました。今回取り上げる力士はいずれも、大阪相撲という、大阪で活動したプロの相撲渡世とせい集団の力士ばかりです。三月場所を楽しみにしていた皆様、どうぞ博物館で「大相撲」をご堪能ください。

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