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渡来人いずこより
(H29.2.3更新)
資料展示

銀錯貼金環頭大刀(ぎんさくてんきんかんとうたち)

国指定重要文化財 古墳時代中期(5世紀) 宮山古墳 姫路市教育委員会蔵 全長86.8㎝

冬瓜大香炉

写真は環頭と呼ばれる大刀の持ち手の装飾部分に当たります。鉄の地に対して、内側に銀板を当て、外面にはS字状の文様を施し、その周りには金箔を貼って装飾しています。環の内側には銀地の蕾(つぼみ)のような突起があり、うろこ状の文様を浮き彫りで表現し、低い部分には金箔で装飾しています。

熨斗(のし)

柏原市指定文化財 古墳時代中期(5世紀) 高井田山古墳 柏原市立歴史資料館蔵 全長46.5㎝

冬瓜大香炉

一見、フライパンのような形ですが、古代のアイロンです。皿のようなところで火を焚き、熱くなった裏面を布に当て、皺(しわ)を伸ばします。本資料と非常によく似たものが、百済(くだら)の武寧(ぶねい)王陵(韓国忠清南道公州市)で出土しており、百済と日本の関係を検討するのに欠かせない資料です。

角杯(かくはい)

 A 朝鮮三国時代(5~6世紀) 朝鮮半島 天理大学附属天理参考館蔵 全長約20㎝
B 古墳時代後期(6世紀) 赤根川金ヶ崎窯跡 明石市教育委員会蔵 全長約25㎝

冬瓜大香炉

角杯は牛などの角を模倣して作った飲用の容器です。ヨーロッパから西アジア・中央アジア、東北アジアに分布し、朝鮮半島では新羅(しらぎ)に多くの事例があります。Aはユーラシア大陸の東端に位置する朝鮮半島の角杯で、先端は尖(とが)っていて、角(つの)の名残を残しています。一方、Bの角杯は先端が尖らず、平らです。日本列島で作られた須恵器の角杯はいずれもこのように尖っていません。朝鮮半島から日本列島に角杯が伝わる際に、「尖り」が欠落したのです。まさに、「角(かど)のとれた」角杯といえます。

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