1. ホーム
  2. 展示・イベント
  3. 特別展
  4. 過去の特別展
  5. 心斎橋 きもの モダン-煌めきの大大阪時代-

開館10周年記念 特別展 心斎橋 きもの モダン-煌めきの大大阪時代-
(H25.9.23更新)

主な展示資料

秋立つ 高橋成薇たかはしせいび

秋立つ 高橋成薇作

昭和3年(1928)
大阪市立近代美術館建設準備室蔵

この作品が描かれた昭和3年には“モダンガール”旋風が日本を席捲していた。当時、モダンガールは経済的に独立的な文化婦人であるべきとされ、それまでの日本人女性の“静”のイメージから脱却した“動”の存在とされたのである。画中の娘はモダンガールの象徴たる「断髪」姿ではあるが、振袖を着ている。背景に描かれるムクゲは初夏から初秋にかけて咲く花で、その花言葉は「新しい美」「信念」。信念を持って新しい美を創造するモダンガールに相応しい花といえようか。本作品は昭和5年、第十六回大阪美術展覧会に再出品後、着物の裾のところで切断された。これは振袖に仲春から晩春の風物詩である「柳に燕」の模様が描かれ、秋の題とはいささか不釣り合いだと考えられた可能性もあるだろう。


桔梗撫子文単衣ききょうなでしこもんひとえ

桔梗撫子文単衣

昭和10年代
大阪歴史博物館蔵(宮里圭子氏寄贈)

赤の地紋様の上に青系色で桔梗の丸文と撫子の花を配している。地紋様は牡丹と芍薬の花である。牡丹・芍薬は晩春から初夏にかけての花、一方、桔梗・撫子は初秋に花を開く。こうして工夫されたデザインのきものは、いずれの季節に着用しても良いのである。宮里圭子氏は心斎橋筋で呉服商を営む家に生まれ育ち、戦時中の昭和18年(1943)、宮里家へ入嫁した。この単衣は女学校時代から着用していた品で嫁入に際しても持参したものの、戦時下にあっては着用することも無かったらしい。


マッチラベル

マッチラベル

昭和初期
個人蔵

「お買い物に お散歩に 明るい街 涼しい街の 心斎橋へ!!」のロゴとともに断髪、洋装で日傘を差したモダンガールが心斎橋筋へ出かける姿が描き出されているマッチラベル。「更新の途にあるしんさいばしすじ近く街路照明完成!」とあることから、すでに明治期から使われ始めている日覆いに加え、夜間の買い物の便を図る照明設備の設置が進められていることをPRする。特定の店舗をPRする目的ではなく、心斎橋筋の振興を目的に製作されたらしい。製作を手がけたのは「大阪十三不二マッチ社」で、大阪・京都を中心に手広くマッチの製造を手がけていた。


トップページへ 関連行事特別割引